「プライド」


先日、「パソコン教室」を探すためネットで検索をした時の話です。

上野という場所柄、いくつかの教室のオリジナルHPが検索できたのですが、
ほとんどの教室のHPで、各講座の詳細と受講料が表示されている中、
某大手パソコン教室のHPには、どこを探しても料金が表示されていないのです。

「どこどこの教室の評判がいい」というような情報を持たない僕にとって、
「受講料」はそれだけで十分選考理由になるので、資料請求してみようと思い、
その某大手パソコン教室の資料請求をクリックしてみました。

すると、申込者の「氏名」・「住所」・「電話番号」の項目以外に、
任意ではありますが、「生年月日」・「メールアドレス」などを記入する項目もありました。

個人情報を安易に聞いてくる姿勢にやや違和感を感じましたが、
まあ「任意」だし、そこには何も記入せず送信しました。

すると、ものの1時間もしない内に、その某大手パソコン教室から電話が来ました。
何事かと思い、対応してみましたが、そこから急にアンケートが始まりました。

「当社のことはどちらでお知りになられましたか?」

「どうしてパソコンを習おうと思われたのですか?」

「習得した能力をどういう職種で使用するおつもりですか?」・・・・などなど。

はじめはそれなりに答えていたのですが、だんだん面倒になってきました。

「あの~、今あまり時間がないので、とりあえず資料を送ってくれませんか?
 僕が知りたかったのは、各講座の詳細と受講料です。
 自分がどの講座に相応しいかは、その資料を見て自分で判断しますので結構です。」

すると、予想しない回答が返ってきました。

「当社のパンフレットには、受講料の記載がございません。
 受講料につきましては、各校舎にお越しいただいた際にお知らせいたします。」

・・・えっ!?   そのシステムは、倫理的にどうでしょうか?

事前に受講料についての情報を与えず、その場に来た人に初めて料金を言うなんて、
断りきれなくて支払ってしてしまう生徒が多くなるんじゃないでしょうか?

言葉が悪いですが、これはキャッチセールスまがいの手法ですよ。
無理やり連れてくる訳ではないので罪には問われませんでしょうが・・・。

 

話が変わりますが、似たような話で、最近よく こういう内容の電話が来ます。

(ネット上で)お店の検索サイトを運営している会社からで、
検索サイトを立ち上げたばかりなので、加盟している店舗が少ないため、
今ならその検索サイトに無料で登録でき、しかもHPも無料で作成します・・・というものです。

一見 いい話のように思えますよね?

僕は、身内にこの手の事に詳しい人物がいるので知っていましたが、
HPを維持するためには、年間数万円の維持費がかかるのです。

彼らの言っていることに嘘はありません。

検索サイトの登録料は無料だし、HPを無料で作成するのも間違いではありません。

しかし、詳しく聞いてみると、HPの維持費に月額で数万円かかるみたいなのです。
(HPの管理会社は当社とは関係ないので詳しくは分からないなどと言って ごまかしますが・・・)

年間に換算すると実に十~数十万円になります。 彼らはそこで稼いでいるのです。

やり方が、実に いやらしい。

嘘は言っていないし、僕の質問にも、(聞かれれば)キチンと答えているので、
これもまた罪には問えないでしょうが・・・。

 

もし、この手のやり方を当診療所に当てはめてみると、(考えるだけでも腹立たしい・・・)
保険適用外であることを隠して、「診察料は無料です。」とだけ謳い、
普通に診察までした後、処方直前になって高額な金額を提示するようなものですよね?

僕はこういう事を平気でやれてしまう人々が信じられません。

 

当診療所では、HP上でも保険適用外であることを包み隠さずに謳っておりますし、
電話での お問い合わせに対しましても、まず保険が利かないことをお知らせするように、
従業員に徹底させております。

それは、自分の行なっている仕事・言動にプライドを持っているからです。

高額な医療費をお支払いいただく以上は、責任を持って診療させていただいているからです。

それがどんなに良い薬であっても、
他人を騙してまで、
不快な気持ちにさせてまで、
服用していただくことでお金を稼ぎたいとは思いません。

 

もしも、上記の会社の関係者が患者様で来られたら、
従来の生薬に僕の爪の垢を加えて煎じた特製の煎じ薬を飲ませてやりたいです。
(お後がよろしいようで・・・)

 
2009/02/26更新


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