「ワールド・ビジョン・ジャパン」


先日、国際NGOの、ワールド・ビジョン・ジャパンが主催する
「ワールド・ビジョン・カフェスペシャル」という会合に参加しました。

ワールド・ビジョン・ジャパン(以下 WVJ)とは一体どんな団体かといいますと、
以下オリジナルサイトからの引用ですが、

 

NGOワールド・ビジョン・ジャパンは、貧困、飢餓、災害、戦禍などで苦しんだり抑圧されている人々が、明日を夢見て、希望で胸をふくらませることができる社会の実現を目指し、1987年10月に国際NGO「ワールド・ビジョン」の一員として設立されました。 キリスト教精神に基づいた国際NGOとして、開発援助、緊急援助、アドボカシー活動を行っています。

現在、4万人以上のチャイルド・スポンサーのご支援や600人以上のボランティアの方々のボランティア活動、募金者の方々、企業・団体からの支援、また国際機関や他NGOとの連携によって活動しています。

 

・・・という、つまりユニセフのようなボランティア団体なんです。

僕がWVJの存在を初めて知ったのは、ネット広告でした。
広告上の【チャイルドスポンサーを募集しています。】というのを見て、
「チャイルドスポンサーって何だ?」という具合でした。

これも以下オリジナルサイトからの引用ですが、

 

子どもたちが健やかに成長し、教育を受け、やがては地域が自立できるよう、子どもと交流をしながら、地域に根ざした貧困を解決する開発援助をご支援いただきます。

チャイルド・スポンサーシップにお申込みいただくと、1人の子どもをご紹介し、スポンサーキットをお送りします。 ペットボトル1本分、一日あたり150円、月々4,500円のご支援で、教育、保健衛生、水資源開発、経済開発、農業など継続的な支援活動を行い、地域の過酷な状況を変え、子どもの人生を変えます。ご支援期間は自由です。

 

というものです。

つまり、平たく言ってしまうと、
「送られてくる写真の子を年間5万4千円で支援してほしい」ということです。

正直言って、初めはこの制度に違和感を覚えてしまいました。

きれいな女の子の写真を添付して「この娘と付き合いたかったら××円で!」
なんていう迷惑メールのような違和感です。

その子の未来を金で買ってあげるような気がして、やや不快になりました。
(あくまでも初めの印象ですが・・・。)

ただ、その後、このサイトに書かれている事柄を隈なく読んでみましたが、
WVJ側も、この点を考慮しており、チャイルドを養子にしたりチャイルドに対して
性的暴力行為を強要するのを防止するための対策をしているのが分かりました。

チャイルドとの手紙のやり取りはいつでも可能です。
その際は、WVJがまず我々の手紙を閲覧して現地語訳をつけるのですが、
チャイルドへの養子の要請や暴力的表現があった場合は削除するそうです。

また、現地に行ってチャイルドと会うというツアーも定期的に開催しています。
その際も、WVJを通さないで直接現地に行くことは禁止しており、
そうやって現地に行っても、チャイルドとの面会は阻止されるそうです。

金銭の使い方についても、チャイルドにそのままお金を渡すことはなく、
その地域全体の利益になるような事業のための資金に使われるのだそうです。

なおかつ、ある一定の期間を過ぎるとそのチャイルドへの支援は終了し、
それ以降は面会することも手紙のやり取りをすることも出来なくなるそうです。

この制度に対して違和感を覚えたクセに、ここまで調べ上げるということは、
僕の深層心理には、この制度の魅力が強く突き刺さったんだと思います。



・・・ということで、前置きが長くなりましたが、
冒頭の「ワールド・ビジョン・カフェスペシャル」の話に戻ります。

この会合では、実際に支援を受けていた (元)チャイルドがゲストに迎えられ、
当時の思い出や現在の状況・地域の様子などについてお話しされました。

彼女いわく、
「定期的に送られてくる支援者からの手紙がうれしくてうれしくて、
 いつも楽しみにしてました。いまでも大切に持っています。」

今回の来日で、彼女は9年間支援していた方と初めて会うことができました。
そして、別れるときはお互い抱き合って号泣したそうです。

会合ではその後、現地の映像や彼女に対する質問会などで盛り上がり、
当初の予定時間である90分を軽く超えてしまうような盛況ぶりでした。

中でも印象に残ったエピソードを1つ紹介します。

支援を受けた当時10歳位の自分の写真を見て彼女は、
生まれて初めて写真を撮ったので、何が何だか分からず
とても緊張してしまい怒っているような顔になってしまったことや、
写真を撮るんだからと、彼女の住んでいる地域で少しだけ裕福な人から
みんなが洋服を借りて撮影してもらったということも教えてくれました。

だから、当時彼女の地域のチャイルドの写真はみんな同じ服を着ていたそうです。
「写真を見ると貧しそうに見えない子もいたかもしれませんが実際は違うんです。」

どこの国でも、女性は(男性も?)おしゃれには興味があるんだなあと
ユーモラスに感じると同時に、そういう行為をいとおしくも感じました。

また、この会に参加するまでは、正直気になる箇所もありました。

WVJの基本理念に「私たちはキリスト教精神に基づいて活動します。」
という一節があり、宗教色の色合いが強い団体なのであれば
僕は特定の宗教を信仰しないので協力を控えさせていただこうかと考えましたが、
僕の質問に対して、
① 職員の中にもキリスト教を信仰していない人もいる。
② 支援国の中には仏教徒やイスラム教徒が大半を占める国もあり、
   それぞれの国においても良好な関係を築いてきた実績がある。
③ 日本で支援している人の中にはお寺の住職さんもおられる。
など、宗教色の強い活動は行っていないという回答をいただきました。
また、この会合の中でも宗教色を感じる言動は一切ありませんでした。

困っている人を援ける行為は、なかなか簡単に出来るものではありません。
それを進んで行っている彼ら、彼女らには頭が下がりますし、
その行動は報われるべきだと思います。

今までの僕のように、こういう団体の存在を知らない方々に
その存在を知っていただくために、以下にWVJのHPアドレスを貼っておきます。

http://www.worldvision.or.jp
 

実際に資金援助をしなくとも、こういう団体の存在を知ってあげることで
そこで働く彼ら、彼女らを応援してあげて下さい。

 
2008/12/11更新


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