「風邪の話 その2」
前回の日記で、医者も普通に風邪を引くことが分かっていただけたと思いますが(笑)、
折角ですから、風邪について少し深くお話いたします。
風邪を引いた際、
『高熱を出すけれど3日ですぐに治る人』 と、
『高熱は出ないけれど1カ月位なかなか治らない人』 がいますよね?
この違いって一体何なのでしょう?
ここで、風邪を引いた時の体の中の変化についてお話します。
「風邪の引きはじめ」 は、まず、バイ菌が体内に侵入することで起こります。
バイ菌が侵入してくると、体の内で悪さをさせないために我々の体は防御反応を起こします。
それは、「バイ菌の動きを低下させるために高熱を出す」 という反応です。
つまり、体温を上昇させることでバイ菌の増殖を抑えようとするのです。
そして、バイ菌の増殖を抑えている間に免疫系が働いて抗体を造るのです。
「抗体」とは、簡単に言えば 「敵をやっつけるための武器」 です。
まるで、「ピストルの弾」 のようなものです。
そのピストルの弾を造っている間に敵(バイ菌)が増えてしまっていたら、
弾が出来上がった頃には体内には無数の敵がいることになってしまうでしょう。
それらの敵に一発ずつピストルを撃っていても、なかなかやっつけることが出来ません。
それどころか、敵はどんどん増殖していくかもしれません。
これが、風邪を引いてもすぐに治る人と治らない人との差なんです。
つまり、風邪を引いた時に高熱を出すことができる人のほうが治りが早いのです。
高熱を出すという反応はとても疲れます。
それは、体力を振り絞って(無理やり)熱を出しているからです。
ですから、高熱を出す体力も無い、非常に疲れ切っている人は、風邪の治りが悪いのです。
また、体力が低下しているということは、抗体を造る体力も低下しているので、
なおさら風邪の治りが悪くなってしまいます。
加えて、体が疲れ切ってしまっていると、風邪を引いたことすら気付かないこともあります。
みなさんの中に、「自分は風邪を引きづらい」と思われている方はおられませんか?
もちろん、本当に風邪を引かない方もおられるとは思いますが、
もしかしたら、風邪を引いているのに気付かないという方も多いのではないかと思います。
風邪の様な症状があっても熱が上がらなければ、風邪を引いたとは思いづらいかもしれません。
「季節はずれの花粉症かな?」
「ここ1カ月位、何だか調子が悪いなぁ。」
などと思われている方、もしかしたらあなたは風邪を引いているかも知れませんよ。
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